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薄明の種類(市民薄明・航海薄明・天文薄明)と時刻・長さ(都道府県別)

日が沈んでも、空はすぐには真っ暗になりません。太陽が地平線の下にあっても、上空の大気が太陽の光を受けて空を照らしているからです。この明るさが残る時間を薄明(はくめい)といい、太陽がどれだけ深く沈んでいるかで三つの段階に分けられています。

2027年の夏至の東京では、日の入り 19:00 のあと、市民薄明が 19:30、航海薄明が 20:08、天文薄明が 20:49 に終わります。冬至の日は日の入り 16:31、天文薄明の終わりは 18:03 です。

三つの薄明の定義

朝は逆の順番で、天文薄明の始まり → 航海薄明の始まり → 市民薄明の始まり → 日の出と進みます。このサイトの市区町村のページにある「薄明の始まり・終わり」は、市民薄明の時刻です(市民薄明の長さ)。

それぞれの薄明の見え方

市民薄明のあいだは、空がまだ青く明るく、地上の景色ははっきり見えます。夕焼けの色が残り、写真で人気のブルーアワーもこの時間に入ります(ブルーアワーの時間)。航海薄明に入ると、空は濃い藍色になり、街では照明が必要になります。金星や木星、一等星などの明るい星がよく見えるようになります。天文薄明になると、一般の人には夜と区別がつかないほど暗くなりますが、天の川や暗い星雲を写すには、まだ空の明るさが邪魔になります。

夏は暗い夜が短い

天文薄明が終わってから翌朝の天文薄明が始まるまでが、空が本当に暗い時間です。2027年の東京では、夏至の日(6月21日)の夜は 20:49 から翌朝 2:36 まで(約 5時間47分)、冬至の日は 18:03 から 5:15 まで(約 11時間12分)です。夏の夜は、日の入りが遅いうえに薄明も長いので、暗い時間は冬の半分ほどしかありません。

北へ行くほど夏の薄明は長くなります。札幌の夏至の日は天文薄明が 21:36 に終わり、翌朝 1:36 に始まります。夜中に太陽が一番深く沈んだときでも地平線の下 23.5° で、18° より深く沈むので本当の夜はありますが、その時間は約 4時間00分 しかありません。那覇の夏至の日は 20:55 から 4:07 まで、約 7時間11分 です。さらに北のヨーロッパ北部などでは、夏に太陽が 18° より深く沈まず、一晩中薄明が続く「白夜に近い夜」になる地域があります。

薄明の長さは季節で変わる

三つの薄明を合わせた長さ(日の入りから天文薄明の終わりまで)は、東京の2027年の春分の日で 85 分、夏至の日で 109 分、冬至の日で 92 分です。太陽が真西に沈む春分・秋分のころは、地平線に対して急な角度で沈むので薄明が短く、夏至のころは斜めに沈むうえ、真夜中でも太陽があまり深く沈まないので長くなります。

薄明の時刻の調べ方

このサイトの市区町村のページでは、毎日の市民薄明の始まりと終わりを載せています。航海薄明や天文薄明の時刻は、このページの表で主な都市の夏至・冬至の値を示しています。ほかの日付や場所の値が必要な場合は、国立天文台の「こよみの計算」で、地点と日付を選んで調べることができます。

都会の空と薄明

天文薄明が終わって空が本当に暗くなっても、都会では街の明かりが大気に散らされて空が明るく見えます(光害)。そのため、都市部では天文薄明が終わる前と後で空の暗さの違いが分かりにくく、暗い星はいつまでも見えません。天の川を見たいときは、街の明かりから離れた場所で、天文薄明が終わってから空を見上げるのがこつです。山や高原、離島など、空の暗い場所では、薄明が終わっていく様子と星が一つずつ増えていく様子をはっきり感じられます。

朝の薄明を楽しむ

朝の薄明は夕方とは逆に、天文薄明の始まりから少しずつ東の空が白み始めます。航海薄明の始まりのころには東の地平線がうっすら明るくなり、市民薄明の始まりで景色の色が分かるようになって、やがて日の出を迎えます。夏の早朝、薄明が始まる時刻に起きて空の変化を眺めると、夜が明けていく過程を一時間以上かけてゆっくり味わえます。

薄明と体内時計

朝の薄明の光は、人や動物の体内時計にも関わっています。鳥のさえずりが日の出前の薄明のうちから始まるのは、空の明るさの変化を合図にしているためと考えられています。人の場合も、朝の光を浴びると体内時計が整い、夜に眠くなる時刻が安定するといわれます。冬の朝は薄明の始まりが遅く、暗いうちに起きる人が多いので、起きたら明かりをつけたり窓辺で朝の光を浴びたりするのがよいとされています。

星空観察や撮影での使い方

天の川や星雲を見たり撮ったりするなら、天文薄明の終わりから翌朝の天文薄明の始まりまでが本番の時間です。月明かりがあると暗い星は見えにくくなるので、新月のころと組み合わせて計画するのがこつです(月齢カレンダー)。夕方の宵の明星(金星)や明るい惑星を見るなら、航海薄明のころが、空がほどよく暗く、地平線近くも見やすい時間です。

2027年の夏至の薄明(2027年6月21日(月))

都市天文薄明の始まり航海薄明の始まり市民薄明の始まり日の出日の入り市民薄明の終わり航海薄明の終わり天文薄明の終わり
北海道札幌市1:362:333:203:5519:1719:5320:3921:36
宮城県仙台市2:163:023:414:1319:0319:3520:1521:00
東京都新宿区2:363:183:554:2519:0019:3020:0820:49
愛知県名古屋市2:503:314:084:3819:1019:4020:1720:58
大阪府大阪市2:593:394:154:4519:1419:4420:2021:01
広島県広島市3:123:524:294:5819:2619:5520:3121:11
福岡県福岡市3:254:044:395:0819:3220:0120:3621:15
沖縄県那覇市4:074:405:115:3719:2419:5120:2220:55

2027年の冬至の薄明(2027年12月22日(水))

都市天文薄明の始まり航海薄明の始まり市民薄明の始まり日の出日の入り市民薄明の終わり航海薄明の終わり天文薄明の終わり
北海道札幌市5:205:546:307:0316:0316:3517:1117:46
宮城県仙台市5:145:476:206:5016:2016:4917:2217:55
東京都新宿区5:155:476:196:4716:3117:0017:3218:03
愛知県名古屋市5:265:576:296:5716:4417:1217:4418:15
大阪府大阪市5:316:026:337:0116:5117:1917:5118:21
広島県広島市5:436:136:457:1317:0417:3218:0318:34
福岡県福岡市5:506:206:517:1917:1417:4218:1318:43
沖縄県那覇市5:506:186:477:1217:4218:0818:3619:05

地点は都道府県庁の所在地(東京都は新宿区)。航海薄明・天文薄明の時刻は、国立天文台「こよみの計算」の航海薄明・天文薄明と 47 都道府県の代表地点 × 2026 年 12 月と 2027 年 6 月の毎日(各 5,734 件)で照合し、差はすべて 1 分以内でした。

よくある質問

夏に夜が短いのはなぜ?

日の入りが遅く日の出が早いうえに、太陽が地平線に対して斜めに沈むので薄明も長くなり、本当に暗い時間が短くなるからです。

航海薄明と天文薄明はどう違う?

太陽の中心が地平線の下 6°〜12° にあるのが航海薄明、12°〜18° にあるのが天文薄明です。航海薄明では明るい星と水平線が見え、天文薄明では空はほとんど暗いものの、天体観測にはまだ空の明るさが残ります。

薄明の種類は?

太陽の中心が地平線の下 6° までが市民薄明、12° までが航海薄明、18° までが天文薄明です。18° より深く沈むと本当の夜になります。

天文薄明はいつ終わる?

季節と場所で変わります。2027年の東京では夏至の日が 20:49、冬至の日が 18:03 です。

日の入り後、真っ暗になるまで何分かかる?

天文薄明の終わりまでを数えると、2027年の東京では春分の日で 85 分、夏至の日で 109 分、冬至の日で 92 分です。

航海薄明の名前の由来は?

明るい星と水平線の両方が見える時間帯で、昔の航海で星の高さを測って船の位置を知るのに使われたことからです。

出典・参考にした資料

本文の数字は、このサイトの計算値をプログラムで差し込んだものです(更新日 2026-10-15)。数字の作り方と照合の手順は編集方針にまとめています。

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